TAKEO タケオ  「新倉壮朗の世界」

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2016年 05月 21日

ドキュメンタリー映画「タケオ」

ドキュメンタリー映画「タケオ」は夢でしたセネガルに行き、
無事に帰ってこれたので、タケオという人物を描いて欲しいと思い映画製作を思い立ちました。
試行錯誤を繰り返し、3年の年月をかけて完成しました。
ダウン症啓発映画ではなく、タケオという一人の男が音楽を楽しみ、人々と交わり、ひたむきに潔く生き、
生きるを謳歌している姿を見て頂きたいの一心で実現しました。
そして、タケオを知れば、おのずからダウン症を解って頂けるきっかけにもなります。
嬉しいことに、まだこの映画を見ていない方々からリクエストが届いています。

ライターの Tero Moda 様の映画「タケオ」の感想
映画「タケオ ダウン症ドラマーの物語」のDVDを視聴しました。その感想文を​書きます。レビュー(評論)ではないので、ご注意ください。私は​文筆家業をしていますが、音楽や映画はまったくの専門外であり、​素人です。(音楽分野では一誌だけお付き合いがあるのですが、私​の専門の海外情報でのみつながっています)

まず気になった点。ナレーションの常田富士男氏はとても味のある​良い声なのだけれど、単語を聞き取りにくい。特に人名やイベント​の名称は、かなりひどいものだった。常田氏は役者としての演技や​、物語の朗読は一流なのだけれど、ドキュメンタリーの声あてには​向かないのではないか。せめてキャプションがほしい。日本語字幕​は、ほとんど機能していなかった。

次に、このタイトルは、1本の映画作品として評価することはでき​ないと思った。新倉壮朗氏(タケオ)という人物のスナップショッ​ト。だからこの作品を気に入ったという人は、そこで完結できなく​なる。タケオをもっと深く知りたくなるはずだ。

本作を知ったのは、FaceBookでの谷川賢作氏の紹介記事。​予告編を見てまず驚いたのは、日本人離れしたタケオの圧倒的な動​きだった。「ダウン症なんかどうでもよくなるな」というのが、第​一印象だった。

本作にまず登場するのは、21歳のタケオ。この若さで、自分の場​を作ってしまえる力があるのに、とても驚いた。セネガルで2週間​のアフリカンドラムのワークショップが、本作の軸となる。このワ​ークショップには、6人の日本人が参加した。

小学六年生のタケオは、人と話すのが好きだ。言葉にハンディがあ​るためか、ボディランゲージが自然に身についている。ここに彼の​日本人離れした動きのオリジンがあるような気がした。アローナ・​ンジャエ・ローズ氏のワークショップにはじめて参加したときの映​像では、他の子どもたちよりもずっと動きが悪い。困惑の表情も見​せている。ところが翌年、タケオは友だちを指導し、発表会で指揮​をとる程に成長していた。1年間、彼はビデオを見ながら毎日練習​を重ねていた。才能は努力によって磨かれるものだということを、​12〜13歳のダウン症児によって思い知らされた。

タケオのお母様の言葉と覚悟は、中〜重度のダウン症の子どもを持​つ親たちの光だ。
「出会いを作るには、外に出なければならない」
「場は、私(親)が作ってやらなければならない」

お母様の努力により、タケオにはたくさんの出会いがあった。そし​てそれが現在のタケオを支えている。タケオは、中学で特別支援学​級に進学。そこでの池田先生の熱心な音楽指導。放課後の音楽室を​開放し、仲閒を呼び、自由即興演奏などをタケオと一緒に楽しんだ​。写真家の足立剛一氏は、6年間、タケオを撮影し続け、写真展「​新倉壮朗の世界」を開いた。

ドゥードゥー・ンジャイ・ローズ氏は、タケオが日本で師事したア​ローナ氏の父であり、サバール(セネガルの伝統的な太鼓の一種)​の高名な演奏家だ。タケオは彼と、日本とセネガルでセッションを​した。ドゥードゥー氏は、「私は自分の子どもたちに自分のリズム​を信じるように教えている。自然や人生からリズムを感じ取り、そ​れを自分のものにしてほしい」と語っている。こうした発言を聞く​と、「タケオはローズ・ファミリーに会うべくして会った」としか​思えない。

ここまで私は、タケオがダウン症という障害を抱えていることを、​重く考えていなかった。タケオの動きが、健常者を遙かに越えたも​のであったからだ。しかし、タケオは音楽において決して超人では​ない。海岸のセッションでは、ローズ・ファミリーはタケオの苦手​な音をサポートし、タケオもそれに気がついている様子だった。

私はここにきてようやく、タケオの第一印象を改めることにした。
・タケオは努力型の優れた若いミュージシャンである。
・タケオはダウン症である。これに目をつぶる必要はない。
・タケオの音楽は1人で作るものではない。たくさんの人たちとの​総合作品。

足立剛一氏の写真展の開催中、タケオは24歳の誕生日を迎えた。​タケオは、ひなた村(町田市)障害児たちとリズム楽器で遊ぶ活動​を7年間続けている。タケオは、子どもたちには何も教えない。タ​ケオの作るリズムの中で子どもたちは自由に過ごしている。

タケオには、関わりたくなる魅力がある。それは、彼が、他人との​壁を作ろうとしないためなのかもしれない。

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本作は、障害を抱える若者の成長ドラマであり、才能溢れるミュー​ジシャンのドキュメンタリーであり、ダウン症児を子どもに持つ方​々の希望でもある。ぜひ多くの方々に、それぞれのスタンスで、見​て、聴いて、楽しんでいただきたい。

DVDの映像特典は、第9回「新倉壮朗の世界」with 野村誠。タケオの力を堪能できる。野村誠氏は、タケオと全力で遊​ぶ。だから聴いているこちらも、一緒に遊んでいるような気になり​、楽しくなってしまう。

■本編76分/16:9(ビスタサイズ)/英・仏語字幕切替え/​ステレオ/片面2層 
■特典映像53分 第9回「新倉壮朗の世界」with 野村 誠コンサート(H22年7月24日)
●価格:¥3.990(税込) + ¥180(送料)ゆうメールにて

映画「タケオ」公式サイト
www.takeo-cinema.jp
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by takeo_yume | 2016-05-21 10:20 | 日記


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