TAKEO タケオ  「新倉壮朗の世界」

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2017年 05月 10日

さぽーと1月号に寄稿

公益財団法人「日本知的障碍者福祉会」発刊の「サポート」1月号に寄稿しました。
同じ様な記事しか書けないのでとお断りしたのですが、
読者が違うのでと懇願され、コラム「であい」に書かせて頂きました。
結果、ありがたいことに、福岡と京都から演奏の依頼を頂きました。

「出会いと幸せ」
新倉壮朗(ダウン症)は昨年11月で30歳になりました。
赤ちゃんの時は筋力が弱く,ふにゃふにゃで,歩き始めたのは3歳でした。
幼い頃より感性が豊かで音に素直に反応し,とりわけリズム感が抜群で,
体や楽器での表現は目を見張るものがありました。
そして,持続する 集中力が強い子でした。  
11歳の時,アフリカセネガルの太鼓 「サバール」に出会い,
ここから,壮朗の人生が変わりました。
太鼓三昧の日々を過ごし,結果,太鼓上手になり,
その上に筋肉隆々の体に成長しました。
そして,在日のアフリカンミュージシャンたちとフレンドリーな交流が始まり,
ライブでは熱狂的なステージを踏ませていただきました。  
当初は好きなことが見つかり,自分で楽しんでいるだけで十分でした。
しかし,「外に発信しよう,外に発信しなければ」の後押しを得て,
15歳の時,第1回定期コンサート「新倉壮朗の世界」を開催しました。
ステージでは体中のエ ネルギーが音となって溢れ出て,溌剌と生を表現し,謳歌しました。会場は人間が本来持っているパワーがはじけ,ほとばしる「音の開放広場」となりました。
こんな幸せをくれたセネガルに行きたいと秘かに夢を抱き,
2008年念願かなって,訪れることができました。
サバール の神様ドゥドゥさんとセッションし,
現地の人びとの輪の中で叩き,踊り,歌 い,交歓し,至福の時を享受しました。
セネガルに行くにあたり「ダウン症は免疫力が弱いので生命の危険がある」とお医者様に助言され,もしもを想定し,壮朗の生きた証を残しておこうと映像カメラマンを同行しました。この記録がドキュメンタリー映画「タケオ」の企画に発展し,
2011年セネガルでの様子を中心に壮朗と音楽とのコミュニケーションを描いた作品になりました。日本と世界各地で上映され,好評を博し,多くの方々に壮朗を知っていただける作品となりました。
映画を見たある方が「幸せっていう曖昧で掴みきれないワードをこの映画でタケオという一人の人間を通じていっぱい感じさせられ,悔しい!とさえ思いました。私はタケオほど“幸せ満載” で生きている人間をまっすぐ見たことありませんでした」と感想をくださいました。
壮朗はあらゆる楽器で自由に思いのたけを表現し,「壮朗にしかできない,壮朗だからできる」オリジナルコンサートを開催し,即興音楽の魅力と楽しさを各地で繰り広げています。
2002年に始めた「新倉壮朗の世界」は,昨年15年目を迎えました。今まで,ビッグミュージシャンの皆様,たくさんの音楽仲間,太鼓仲間が共演してくださいました。
第8回出演のジャズピアニストの大口純一郎さんは「誰しもが生まれたときには授かっているみずみずしい感性,凹凸のないふくらみをもった精神が,そのまま欠けることなくこの若者には存在している。彼と共演するたび,最初の一音から集中して現れる音の世界に,一緒になって夢中で遊んでいる状態に,私はなります。尊ぶべき全体,とでも言えるものを大切に,幸せはそこから,と思います」 と語っています。
長年,交流させていただいている作曲家の野村誠さんは「彼のピアノの演奏は無調のピアノ音楽でなかなか生み出せない音楽のエネルギーや, 時にゾクゾクとする美を実現しているのです。そういう意味で,彼は新しい領域を切り開いているピアニストだと思うのです。多くの前衛ピアニストと同じくらいに,彼は最先端に位置するピアニストだと思うのです。タケオ君は,出会った人の物真似をしながら,次々に何でも吸収していきます。ということは,誰に出会うかで,彼はもっと成長することができるのでは,とぼくは思います」と評しています。
セネガル行きの次の夢だったジャズピアニスト山下洋輔さんとのコラボが,記念すべき節目の第15回定期コンサートで実現しました。山下さんはステージで 「僕の音楽はフリージャズと言われていますが,本当にフリーなのはタケオ君です。教えられました」とお話しくださり, 終演後には「心が洗われ,本当に自由になれました」とのお言葉をいただき感涙しました。
外に出ると必ず出会いがあり,その出会いは次の新しい出会いに繋がり,人と場がどんどん広がっていきます。今まで,様々な心の交流が壮朗と私を支えてくれました。出会った人たちとの喜怒哀楽は生きる醍醐味と力になりました。
壮朗は明朗,快活で優しく,素直で愛嬌があり,とてもおもしろいキャラクターの持ち主です。片言で果敢に語り掛け,どんな人でも出会えばすぐにお友だちになり,友が増えていきます。また,不思議と人を引き寄せる魅力があるようです。  
壮朗は出会うべき時に,これぞという素敵なご縁を得て,多くの出会いを重ね,皆様に育てていただきました。出会いが幸せを運んでくれました。これからも幸せいっぱい,夢いっぱいで,一瞬一 瞬をひたむきに生きていくと思います。
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by takeo_yume | 2017-05-10 18:43 | 日記


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