2011年ドキュメンタリー映画「タケオ」が完成した時、荻原和也氏が下記の感想を書いて下さいました。
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「アフリカをわがものにした日本人」
アフリカの太鼓や楽器を演奏する日本人は、いまや珍しくありません。
ただし、その多くのプレイヤーは、アフリカ音楽のコピーで満足していて、 アフリカ音楽をわがものとしたうえ、自分の音楽を創造しようとする志を持ち、
それを実現しているミュージシャンとなると、
ほんの数える程度ではないでしょうか。
そんな一握りともいえる才能豊かな日本人二人の作品と、たて続けに出会いました。
そのひとりは、タケオこと新倉壮朗。
サバールやジェンベを演奏するすばらしいアフリカン・ドラマーであるとともに、
ピアノやマリンバの類まれな即興演奏家であることを、ドキュメンタリー映画『タケオ』を観て、はじめて知りました。
映画に収められたタケオのパフォーマンスは圧倒的で、
スクリーンから伝わってくるエネルギーの密度の高さは、ただごとではありません。
アフリカ音楽のように、日本では一般的といえない外国の音楽を演奏する日本人は、
どこかテレや恥ずかしさを捨てきれず、
音楽への集中力を欠くところにいつも歯がゆさを感じるのですが、
タケオはその点で対極ともいえる、演奏やダンスへのすさまじいほどの集中力をみせ、
アフリカ音楽という巨像と対峙するのに申し分ない資質を、全身で表現しているのでした。
タケオの音へのセンシティビティや反射神経の良さは、アフリカン・ドラムよりも、
ピアノやマリンバのフリー・インプロビゼーションに発揮されていて、
将来は即興演奏家として大成していく才能なんじゃないかと思えます。
映画では説明がありませんでしたが、タケオのピアノやマリンバの即興演奏が、
もし彼の独学によるものだとしたら、疑いなく天才ですね。
アフリカ音楽にとどまることなく、大友良英やクリスチャン・マークレーなど、
実験音楽やアヴァン・ミュージックのミュージシャンとぜひ共演させてみたい逸材です。
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嬉しいことに、この時から12年の間に大友良英さんとは2回共演をさせて頂きました。
3月26日には渋谷の公園通リクラッシックスで「大友良英&新倉壮朗デュオ」を開催します。
現在、タケオの即興演奏とキャラの魅力を軸に2作目のドキュメンタリー映画を製作中です。
完成しましたら、多くの皆様に観て頂きたいと願っています。